税理士のホームページ制作における戦略のポイントは、以下の3つです。
税理士のホームページで狙うべきキーワードは、大きく分けて以下のいずれかです。
※キーワードについてはこちらの動画で詳しくご紹介しています。
「地域名 + 税理士」は、税理士だからこそ成り立つキーワードでもあります。
一般的に、多くのお客様は「税理士がどんな仕事をしているか?」をある程度分かってくれています。
お客様の気持ちとしては、「細かい業務はわからないけど、多分、節税とかの税金関係のことに詳しいんだろう」のような形です。
当たり前ですが、お客様は「知らないもの」を検索することはできません。
税理士のどんな仕事をしているかが、ある程度分かりやすいからこそ、お客様は検索できるのです。
これが他の士業(例えば、社会保険労務士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士など)の場合だと、話が違ってきます。
例えば社会保険労務士の場合、お客様は「社労士がどんな仕事をしているか?」をあまりよく分かっていません。
ですので、お客様は「地域名 + 社会保険労務士」では、あまり検索してこないのです。
どちらかと言うと、例えば「地域名 + 助成金」など、サービス名で検索することが多くなります。
このように、士業ごとに別の戦略が必要になってくるのです。
税理士の場合は、「地域名 + 税理士」という、ある意味直球勝負ができる分、有利と言えます。
※余談ですが、弁護士のウェブ営業・ホームページ集客についても、税理士と同じように「地域名 + 弁護士」で検索する人が比較的多くいますので、この戦略が使えます。
なお、「地域名 + サービス名」の場合には
などが考えられます。
どのキーワードがベストかを判断するには、
などを調べることが重要になってきます。
「キーワードの検索数」は、グーグルキーワードツールで、「キーワードごとのライバル状況」は実際にグーグルで検索して、それぞれ調べるようになります。
次に、価格戦略も重要になってきます。
税理士は、2012年現在、日本全国に7~8万人います。
人数が多くなれば、それだけ競争も激しくなります。
そこで重要なポイントが「価格(値段・料金・費用)」なのです。
大手の税理士法人などでは、月額顧問料が数千円のところもあります。
逆に、月額顧問料が数万円~のところもあります。
ウェブ集客においても、それぞれに別の戦略が必要になってきます。
安さを売りにする場合には、値段の安さを全面に打ち出す必要があります。
しかし、安さだけではいけません。
例えば先生が「月額9800円です!」と打ち出している時に、他の事務所が「月額8000円です!」と打ち出してきたら、その時点で負けです。
数字勝負になってしまうと、必ずそれを上回るところが出てきてしまうので、数字以外の部分も重要になります。
例えば、実績やサービス内容の合理性をアピールしたり、お客様に対する想いを伝えたり、といったことも大切になってきます。
ただ数字だけで勝負するのではなく、競合優位性(他と比べられた時に選ばれる要因)をアピールしていきましょう。
私自身は、基本的に「値下げして集客する」ことをお勧めしていません。
(「お客様の数を重視して、短期間で一気に囲い込む」などの戦略があれば話は別ですが、この戦略をとれるのは大手に限られることが多いです。)
多くの場合、値段を下げれば、それに応じてサービス内容も削る必要が出てきます。
場合によっては、サービスの質が下がってしまう場合もあります。
税理士をはじめ、士業は基本的に「労働集約型」のビジネスですので、安くすればするほど、先生自身も苦しくなるケースが多いです。
労働集約型:
人による労働が中心となって行われるビジネスのことを指します。
これとは逆に、コンピューターシステムを導入するなどして人手を減らし、効率化していくことを資本集約型と呼びます。
安さで勝負しない場合には、お客様に値段以外のところに価値を感じてもらい、選ばれることが重要になります。
そのためには、
などを伝えることが重要になります。
他にも、
なども、伝えるべきポイントです。
最後に、税理士のホームページの代表的な集客戦略のポイントについて解説します。
既に成功事例が数多くある戦略ですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
税理士のホームページとしては一般的な、「税務顧問契約を目的とする場合」の戦略です。
ポイントはたくさんありますが、特に重要なのは以下の3つです。
まず、「費用対効果を売る」というのが重要です。
(これは安さを売りにする場合も、そうでない場合も、両方に言えます)
お客様は、表面的には「値段」で決める場合もありますが、多くの場合「費用対効果」を気にしています。
お客様にとっては「値段に見合う、あるいはそれ以上のサービスが受けられるのか?」が重要なのです。
「サービス内容」や、「お客様が得られるメリット」をしっかり伝えましょう。
次に、「値段は必ず書く」です。
「値段を書くと、他の事務所と比べられてしまうので、詳しくはお問い合わせください、と書きたい」という先生もいらっしゃるかと思います。
しかしお客様は、値段が分からないものを選ぶことは、ほとんどありません。
先生も、何かを買う時に値段が書かれていないと「で、結局いくらなんだろう?」と感じませんか?
それと同じ事です。
わざわざお問い合わせして値段を確認してくれるお客様は、ほとんどいません。
「値段がわからない=他と比較できないので選択肢にすら入らない」のです。
インターネット上では、比較されることは大前提で、当たり前のことです。
比較材料である値段が欠けていると、お客様は比較することすらできないので、最初から選択肢に入れてもらえないのです。
他と比べられることを前提として、それでもいかに選ばれるように工夫するか?を考える必要があるのです。
値段は必ず書く。
そして、費用対効果もきっちり書いて、お客様に選ばれる。
これが大切です。
「プロフィールと先生自信の理念を伝える」も重要なポイントです。
税理士をはじめ、士業は「先生自信が商品(人が商品)」のビジネスです。
お客様は、「先生がどんな人なのか?」を非常に気にしています。
私が今まで解析してきたデータでも、お客様は「代表プロフィール」などのページをとてもよく見ています。
そのページだけ、アクセス数が他のページの2倍以上あったり、滞在時間(そのページを見ている時間)も長くなっているのです。
このように、数字で証明されています。
先生のホームページにも、必ず「代表挨拶(代表プロフィール)」「職員紹介」などのページを入れることをお勧めします。
税理士の先生にとって、「会社設立特化型ホームページ」は今後大きな集客窓口になってきます。
この場合のポイントは、以下の2つです。
まずは、「会社設立の手数料を0円にする」です。
税理士の場合、後ろに顧問契約があるので、入り口である会社設立の手数料が0円でも、後で回収することができます。
(フロントエンドとバックエンドの考え方です。)
司法書士や行政書士単体の場合と比べると、これは大きな強みになります。
もう一つのポイントは、「顧問料も絶対に書く(ただ、書き過ぎない)」というものです。
まれに、「設立手数料0円!」だけを打ち出して、顧問料を書いていないホームページを見かけますが、私はあまりお勧めしていません。
お客様は、書かれていない情報があると、安心して申し込んでくれません。
あとあと無用なトラブルになることを避けるためにも、必ず顧問料も書きましょう。
ただ、ここが難しいのですが、「顧問料も絶対に書くが、書きすぎるとマイナス」になってしまうので注意が必要です。
お客様は、「会社設立」が目的で検索してきますので、会社設立以外のことがズラズラ書かれていると、混乱してしまいます。
「自分が求めているのは会社設立なのに、ここには税理士の顧問契約のことばかり書かれている。自分が求めているサービスではない」と判断されてしまうのです。
「顧問契約:月額12,000円~」のように、最低料金を伝えるなどして、簡潔にまとめましょう。
相続関連サービスは今後需要が増えてくると考えられるので、「相続(相続税)特化型ホームページ」も有効な戦略です。
ポイントは、以下の3つです。
まず、「分かりづらい表現を使わない」です。
これは、相続以外のホームページでも言えることですが、税理士をはじめ士業の業界は、専門用語がたくさんあります。
専門用語は、その業界の中の人には伝わるのですが、業界の外の人(つまり、お客様)にはほとんど通じません。
専門用語などの難しい表現がたくさんあると、お客様は読むだけで疲れてしまい、ホームページを見てくれなくなります。
そのため、専門用語をできるかぎり使わず、分かりやすい表現を使うことが重要になります。
使うとしても、注釈をつけるなどして、分かりやすくします。
(イメージとしては、中学1年生が読んでも分かるくらいの表現にするのがベターです。)
次に、「料金体系を分かりやすくする(できれば、パック料金を作る)」です。
相続関連のサービスの場合、料金が細かく書かれているホームページをよく見かけます。
例えば、「被相続人の戸籍等収集:~~円」「財産目録の作成:~~円」のような形です。
これだとお客様は、「結局いくらになるんだろう?」と不安に思ってしまいます。
不安な状態では、お問い合わせはしてもらえません。
先ほどの「分かりやすい表現を使う」と同じように「料金体系も、できる限り分かりやすく書く」ことが重要です。
お客様にとって分かりやすいのは「パック料金」です。 例えば、
のような形にすると、非常に分かりやすくなります。
もちろん、パック料金以外の追加料金が発生する場合も多々あります。
その場合もふまえて、「※お客様の状況によって、前後する場合があります。その場合には、お見積もりの際にお伝えいたしますので、ご安心ください。」のように注釈をつけておくことをお勧めします。
最後に、「事例を出す」です。
お客様は、そもそも「今自分が抱えている悩みは、誰にお願いすれば解決できるのか?」を判断できない場合があります。
この場合に役立つのが、「事例紹介」なのです。
例えば、以下のような形です。
東京都在住 Aさん 女性 53歳の方の事例
「81歳の父が亡くなってしまったが、遺言もなく、遺産分割をどのようにしていいのかが分からない」というご相談をいただきました。
まずは無料相談にお越しいただき、状況を詳しくお伺いしました。
結果的に私たちが提供したサービスは、「~~~」と「~~~」で、お見積り金額は~~~円でした。
5ヶ月ほどですべてのサービスを提供し、遺産分割もスムーズに行うことが出来ました。
Aさんには「初めての相続でどうしていいのか分からなかったけど、安心してお任せできたので、本当に助かりました」と、喜びのお声をいただきました。
こういった事例紹介があると、それを見たお客様が「あ、自分もこれと似たような悩みを抱えているから、ここにお願いすれば解決できそうだ」と判断でき、お問い合わせしてくれるようになります。
お客様に同意いただけるのであれば、お客様の声を掲載するのも良いでしょう。
以上が、税理士のホームページ集客戦略です。
地域ごとのライバル状況や、先生の今後の方針によって、ベストな戦略は変わってきます。
ぜひ、先生に合わせた戦略を取り入れて、ウェブからの集客を成功させていただければと思います。
参考になれば幸いです。
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