対象:弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、その他全士業
今回は、「美容師に学ぶ!士業のビジネスモデルの考え方」という内容をお伝えさせていただきます。
士業以外の他業界から学ぶことで、ブレイクスルーを生み出すキッカケを作れます。
これを学ぶことで、「今まで逃してしまっていたお客様を獲得し、集客力を強化することができる」ようになります。
先日、テレビでとある美容室の特集がやっていました。
その美容室は東京都内にあるのですが、周りにも多くの有名美容室があり、激戦になっています。
「なんとかして、他と違うことをしなければいけない…」
そう考えてその美容師がやったこととは…
【前髪カットだけのメニューを作った】ことです。
お客様にとって、初めての美容室に行く、というのはなかなか勇気がいることです。
「今までどおりの可愛い髪形が崩れたらどうしよう…?」など、お客様にはいろいろな不安があるからですね。
そういった不安を取り除くには、「まず、ちょっとだけ使ってもらう」という方法が有効です。
実は、先ほど登場した美容室では、前髪カットを315円でやっているそうです。
この料金なら、試しに使ってみよう、というお客様もいますよね。
ただ、この1回だけで終わってしまっては、美容室も赤字になってしまうので、メルマガやポイントカード、季節ごとの挨拶ハガキ、2回めのご利用30%オフチケットなどを駆使して、また使って頂けるように促しています。
このように、「まず少額で使ってもらい、その後、本命のサービスに移行してもらう」ことで、スムーズにお客様を誘導することができるのです。
この考え方は、士業のビジネスモデル構築にも使えます。
マーケティング業界では、少額のサービスを「フロントエンド」、本命のサービスを「バックエンド」と呼んでいます。
まず気軽に依頼してもらい、不安を取り除いた上でなら、本命のサービスも受け入れられやすくなる、ということです。
例えばよくあるのは、社会保険労務士が「まず助成金(着手金無料、完全成功報酬)を提案し、その後に顧問契約などの継続的な本命サービスを提案する」というものです。
他にも、税理士が「手数料無料で会社設立を代行し、その後の顧問契約を獲得する」というのも、同様の考え方になります。
※士業のビジネスモデルを考える上では、なるべく本命のサービスに「継続課金型」のサービスを入れることをお勧めします。
継続課金型というのは、税理士の顧問契約のような、「毎月一定額が発生する」サービスのことです。
継続課金型のサービスがあると、お金の流れが把握しやすくなり、事務所の経営が安定します。
逆にこれがないと、毎月毎月、新規のお客様を集客しなければいけないので、とてもしんどいのです。
これはなにも、税理士や弁護士、社労士に限った話ではなく、どんな士業でも取り入れることができるものです。
「自分が取り入れられる継続課金型サービスは何か?」を考えてみてくださいね。
おそらく、多くの事務所には、「バックエンドのサービスばかりで、フロントエンドのサービスがない…」ケースが多いでしょう。
こういった時にも、一瞬でフロントエンドを作り出す方法があります。
それは、「既存のサービスから、余分なものを削ぎ落とす」ことです。
先ほどの美容室の「前髪カットだけのメニュー」も、もともとは「カット」の中に含まれれていた前髪カットを、別メニューにしたのが始まりです。
つまり、今あるものを元にすれば、フロントエンドは簡単に作り出せるのです。
(もちろん、お客様が使いたいサービスであることが大前提です)
先生の事務所にとって、どんなフロントエンドがベストでしょうか?
ぜひ、先生なりのビジネスモデルを実践していただければ幸いです。