2014年5月27日 | 士業マーケティング

士業の商品開発の落とし穴と成功法則(図解)

対象:弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、その他全士業

ここでは、「士業の商品開発」について解説いたします。

これを読むことで、「余計な手間・コスト・時間を省いて、売れる商品を作ることができる」ようになります。

ぜひ実践していただければと思います。

士業の商品開発の落とし穴

士業事務所のコンサルティングをしていると、よくこんな相談をされます。

  • 「実は、他の事務所ではまったく扱っていない、独自のサービスを考えついたんですよ!」
  • 「他の士業仲間に話しても、コレ絶対行けるよ!って太鼓判を押してくれたんです」
  • 「私も絶対にいい商品だと思うんですが、どう思われますか?」

こういった会話、先生も一度は聞いたことが(したことが)あるかもしれません。

要するに、「誰も思いつかなかった新しいサービスを思いついた!これはいける!」っていう状態です。

しかし、マーケティング上、これは大きな間違いを犯してしまう可能性があるのです。

それは…

新しい商品(サービス)なら売れる!は間違い。

結論から申し上げますと、「新しい商品(サービス)なら売れる!」というのは間違いです。

新商品は、売りづらいのです。

理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • (1)検索されない
  • (2)お客様が怖がってしまう

(1)検索されない

まず、当たり前ですが、新商品は世の中の誰もが知らないので、検索されません

ネット上での集客を考える時、ざっくり言うと「検索される=お客様の需要(ニーズ)がある」「検索されない=お客様の需要(ニーズ)がない」と言えます。

検索されないということは、なかなか商品を知ってもらう機会がないということ。

知ってもらうまでに時間や労力、広告費がかかってしまうのです。

(2)お客様が怖がってしまう

お客様の立場からすると、新しい商品というのは、今まで見たこともない未知の存在なので、依頼するのが怖いのです。

士業の業界の中にいると、商品(サービス)の中身や良さ、効果などがすぐに判断できると思いますが、ほとんどのお客様はド素人です。

先生も、例えば「今まで見たこともない機能を持った、まったく新しいネット集客ツールが出ました!」と言われても、すぐには買わないと思います。

  • 本当に効果があるのか?
  • 自分に使いこなせるだろうか?

など、いろいろな迷い(不安)が出てきますよね。

いきなり新商品を依頼するお客様は、全体の1割もいないのです。

このように、「新しいサービスはだいたい失敗する」ものなのです。

※士業業界にかぎらず、よくテレビや雑誌などで「新商品を開発して成功した会社の特集」などが放送されることがあります。

こういったものを見ると、「新商品を作れば成功できそう!」というイメージを持ってしまいがちですが、これは間違いです。

テレビや雑誌も、興味を持ってもらえなければ廃れてしまいますので、「新商品で成功したストーリー」をもてはやすのです。

新商品を開発してヒーローになりたい!のであれば、それはそれで良いと思いますが…、事務所を成長させたいなら、ヒーローになる必要はないのです。

成功というのは、もっと泥臭くていいのです。

商品開発の成功法則

ここまでで、「なぜ新商品(新サービス)が失敗しやすいのか?」についてお伝えしてきました。

ここからは、「では、どうすれば商品開発を成功させることができるのか?」についてお話していきます。

マーケティングの世界では、以下のようなフレームワークがよく取り上げられます。

上記の図では、販売する対象を「既存客」「新規客」に分類し、販売する商品(サービス)を「新商品」「既存商品」に分類しています。

すると、次のような4つの販売方法が考えられます。

  • (1)「既存客」に「既存商品」を売る
  • (2)「既存客」に「新商品」を売る
  • (3)「新規客」に「既存商品」を売る
  • (4)「新規客」に「新商品」を売る

では、上記の(1)(2)(3)(4)のどれをやればいいのでしょうか?

まずは【(1)「既存客」に「既存商品」を売る】から

正解は、まずは【(1)「既存客」に「既存商品」を売る】です。

今ある商品(サービス)で、既存のお客様(すでに一度、何かしらのサービスを利用しているお客様)の役に立つものはないでしょうか?

追加提案できるものがあれば、積極的に提案していきましょう。

例えば、税理士事務所が顧問契約先に「記帳代行」などを提案したり、ですね。

既にある商品を、目の前にいるお客様に提案するだけなので、余計なことをする必要もありません。

極論すれば、今すぐできる売上アップ法です。

次に【(2)「既存客」に「新商品」を売る】

次に取り組むべきなのが、【(2)「既存客」に「新商品」を売る】です。

既存のお客様は、すでに先生のサービスを何かしら使っている方なので、依頼に対する心理的ハードルが低く、追加提案も比較的受け入れられやすくなります。

そのため、「今いるお客様が追加で使ってくれそうな商品(サービス)は何か?」を考え、それを提供することに注力することで、効率よく売上を伸ばすことができるのです。

先生の事務所の既存のお客様にとって、どんな商品(サービス)があれば、よりお役に立てるか?を考えてみてくださいね。

その次に【(3)「新規客」に「既存商品」を売る】

その次に取り組むべきなのが、【(3)「新規客」に「既存商品」を売る】です。

既存商品は、ライバルも扱っていることが多いと思いますので、「ありふれた商品(サービズ)だけど、ライバルが力を入れていないものはないか?」を考えることをお勧めいたします。

昔からあるものであっても、お客様の需要があり、ライバルが力を入れていなければ、ビジネスとしてしっかり成り立つのです。

また、昔からあるありふれたものだと、ライバルがあまり魅力を感じていないケースもあるので、戦いやすいというメリットもあります。

最後に【(4)「新規客」に「新商品」を売る】

(1)(2)(3)のすべてをやりつくしたら、最終的に【(4)「新規客」に「新商品」を売る】ことを考えましょう。

新規のお客様に新商品を売るのは、大きな労力、時間、コストを必要とします。

新しいお客様を探さなければいけない(新たに集客しなきゃいけない)、新商品も開発しなければいけない、となると、それは大変なことです。

そのため、いきなりここから始めるべきではないのです。

まとめ

よく「新規開拓」「イノベーション」のような言葉を耳にすると「新規を開拓して、新商品を提供しよう!」と考えてしまう事がありますが、それは大きな遠回りです。

新商品を開発する面白さだけ味わいたいのであればそれでもいいかもしれませんが、ビジネスは売上が伸びてナンボのものです。

取り組むべき順番を間違えないようにしましょう。

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