2014年8月28日 | 士業マーケティング

士業のホームページ戦略│初心者でも4ステップでできる制作手順

対象:弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、その他全士業

士業にとってホームページは、とても効果の高い集客方法です。

なぜなら、ホームページを活用すれば、「お客様側から士業を探してくれて、相談しに来てくれる」からです。

士業という業界上、「士業側からお客様に営業する」というのは、難しいものですが、ホームページをしっかり活用すれば、わざわざ営業に出向く必要はなくなります。

しかし、取りあえずホームページを作っただけでは、大きな集客効果は期待できません。

士業業界ならではのホームページのポイントを抑えておく必要があるのです。

ここでは、士業専門ホームページ制作会社である弊社が実践している、売れるホームページを作るまでの流れを解説させて頂きます。

おおまかに言うと、全体の流れとしては、以下の4ステップになります。

  • 1.「事務所型」か「サービス特化型」かを決める
  • 2.サービス特化型なら、どの案件を集客するかを決める
  • 3.キーワード選定をする
  • 4.ホームページを作る

このページの最後には、無料でホームページを作れるツールもご紹介させて頂きますので、すぐに実践して頂けるものと思います。

ぜひここでポイントを抑え、あなたのネット集客にお役立てください。

1.士業のホームページは2種類ある

まずはじめに、士業のホームページの種類についてご紹介させて頂きます。

実は、士業業界のホームページは、大きく分けて「事務所型」「サービス特化型」の2種類があるのです。

それぞれ、メリット・デメリットがありますので、目的に合わせて使い分けることが大切になってきます。

以下に、「事務所型」と「サービス特化型」のそれぞれの特徴をまとめてみます。

事務所型 サービス特化型
掲載サービス数 多め 少なめ
集客力 低い 高い
お客様への訴求力 弱い 強い
SEO的な有利不利 若干、不利 有利
どんな人向けか?
  • 事務所の総合的なHPが作りたい人
  • 開業したばかりの人
  • HPからの集客により力を入れたい人

1-1.事務所型

事務所型ホームページというのは、タイトルが「~~税理士事務所」のようになっているホームページ(士業事務所名がタイトルになっているホームページ)のことを指します。

例えば、以下のようなもののことです。

新宿の大林サンプル税理士事務所

一般的に、よく見かけるホームページだと思います。

事務所型ホームページには、その士業事務所で扱っているサービスを複数掲載することができます。

例えば弁護士事務所であれば、

  • 離婚
  • 交通事故
  • 相続
  • 企業法務
  • ………

のように、扱っているサービス内容はすべて掲載することができます。

そのため、士業事務所の顔としての機能を持たせたい時(総合的なホームページを作りたい時)には、事務所型ホームページがお勧めできると言えます。

また、開業したばかりで、まだ力を入れたいサービス内容が1つに絞られていない場合にも、事務所型がお勧めできると言えます。

1-2.サービス特化型

サービス特化型ホームページというのは、あるサービスに特化したホームページのことを指します。

例えば、以下のようなもののことです。

会社設立代行サービス

「相続相談センター」や「助成金申請サポートオフィス」のようなものも、サービス特化型に分類されます。
(あなたも、見かけたことがあるのではないでしょうか)

サービス特化型ホームページには、基本的に、1つのサービス内容しか掲載しません。

何故かと言うと、その方が集客力が高まりやすくなるからです。

サービス特化型ホームページの集客力が高い理由は、以下の3つが挙げられます。

  • 1.お客様からの信頼感が高まりやすい
  • 2.SEO的に有利になりやすい
  • 3.お客様から見てすごく分かりやすい

【1.お客様からの信頼感が高まりやすい】

1つ目の理由は、「お客様からの信頼感が高まりやすい」からです。

サービス特化型は、掲載するサービス内容が1つに絞られているからこそ、専門性をアピールすることができます。

例えば、あなたがお医者さんに、脳外科手術をお願いすることを考えてみてください。

その時、目の前に

  • 「手術だったら、ジャンルは関係なく、何でもできますよ」というお医者さん
  • 「私は、脳外科専門です」というお医者さん

の2人がいたら、どちらにお願いしたくなりますか?

多くの場合、脳外科専門のお医者さんにお願いしたくなると思います。

なぜなら、「専門=その分野に詳しい人だ=信頼できる」と考えられるからです。

士業のホームページも、これと同じです。

あえて掲載するサービスを絞ることで、その士業に専門性があるように見えるので、信頼感が高まりやすくなるのです。

結果的に、お問い合わせも増えやすくなります。

【2.SEO的に有利になりやすい】

2つ目の理由は、「SEO的に有利になりやすい」からです。

ホームページは、作って置いておくだけでは、高い集客効果は期待できません。

ホームページを作ったら、検索された時に上位表示されるように対策を行って、多くのお客様にホームページを見てもらうことで、はじめてお問い合わせが来るようになるのです。

この「検索された時に上位表示されるようにする対策」のことを、SEO対策と呼びます。

検索エンジン(YahooやGoogle)は、より専門性が高く、そのジャンルに精通しているホームページを上位表示させる傾向があります。

事務所型ホームページだと、掲載サービスが複数あるため、どうしても一つ一つの専門性が薄れがちです。

その点、サービス特化型ホームページは、掲載サービスを絞っているので、より専門性が高く、そのジャンルに詳しいホームページになります

結果的に、検索エンジンにも信頼され、上位表示されやすくなるのです。

【3.お客様から見てすごく分かりやすい】

3つ目の理由は、「お客様から見てすごく分かりやすい」からです。

事務所型ホームページだと、タイトルが「~~事務所」のようになっているため、タイトルを見ただけでは、その事務所がどんなサービスを扱っているのか?が分かりづらくなります。

わざわざサービス内容のページを見ないと、その士業事務所がどんなサービスを扱っているのか?が分からないですよね。

それに比べ、サービス特化型ホームページは、サービス内容そのものがタイトルになっているので、誰が見ても一瞬で、そのホームページが何をしてくれるのか?が分かるのです。

例えば、「相続相談センター」なら、「あ、ここは相続について相談できるところなんだな」ということが、お客様から見て一瞬で分かります。

「助成金申請サポートオフィス」なら、「ここは、助成金申請をお願いできるところなんだな」ということが、誰が見ても一目瞭然です。

お客様は、ホームページを見てたった3秒の間に、「このホームページには、私が求めているサービスがあるかどうか?」「これ以上読むか?戻るか?」を判断すると言われています。

わざわざ全てのページを、一言一句丁寧に読んでくれるお客様はいないのです。

このたった3秒で、「あなたの求めているサービスがありますよ!」ということを明確に伝えるには、サービス特化型ホームページがベストなのです。

1-3.ここまでのまとめ

以上のように、「事務所型」と「サービス特化型」には、それぞれに特徴やメリットがあります

そのため、あなたの目的に合わせて、どちらにするかを決めることが重要なのです。

基本的には、

  • 事務所型:総合的なホームページを作りたい人向け、開業したばかりの人向け
  • サービス特化型:集客力をより高めたい人向け

と言えますので、あなたの目的に合わせて選ぶようにしましょう。

【サービス特化型だからと言って、それ以外の案件が集客できない訳ではない】

サービス特化型だからと言って、「事務所として、今後はその案件しか扱わない。それ以外のものは全て断る」というわけではありませんので、ご安心下さい。

あくまで、ホームページの見せ方を絞るだけです。

人によっては、ご自身が扱っている案件それぞれで、一つずつサービス特化型ホームページを作成している人もいます。

また、例えば社会保険労務士事務所であれば、「助成金申請」に絞ったホームページを作ったとしても、そこから相談に来た方に、口頭で顧問契約を提案することもできます。
(ホームページは、相談に来るキッカケを作る意味で使い、その他のサービスは、実際に相談に来た方に口頭でご案内する、というイメージです)

このように、サービス特化型だからと言って、その他の案件が集客できないわけではありませんので、ご安心下さい。

2.士業別:各ホームページ例

先ほどご紹介させて頂いた「事務所型」と「サービス特化型」について、それぞれの士業別のホームページ例を以下にご紹介させて頂きます。

事務所型 サービス特化型
税理士
  • ~~税理士事務所
  • ~~会計事務所
  • 税務顧問
  • 相続税対策
  • 記帳代行
  • 税務調査対策
  • 会社設立
  • 決算
  • 節税

など

弁護士
  • ~~弁護士事務所
  • ~~法律事務所
  • 離婚
  • 相続
  • 交通事故
  • 労働トラブル
  • 債権回収
  • 契約関連業務
  • 民事訴訟
  • 刑事事件
  • 企業法務

など

司法書士
  • ~~司法書士事務所
  • 相続・遺言
  • 各種登記
  • 債務整理
  • 抵当権関連
  • 公正証書作成
  • 会社設立
  • 債権回収

など

行政書士
  • ~~行政書士事務所
  • 相続・遺言
  • 会社設立
  • 建設業許可
  • 産業廃棄物収集運搬業許可
  • 食品営業許可
  • 古物商
  • 宅建
  • 各種VISA(就労ビザ、帰化申請など)

など

社会保険労務士
  • ~~社会保険労務士事務所
  • 助成金
  • 就業規則
  • 給与計算
  • 障害年金
  • 社会保険手続き
  • 労働保険手続き

など

※なお、扱うサービス内容によっては、たとえサービス特化型ホームページにしたとしても、集客しづらいものがあります

どの案件を扱うかをお迷いの場合には、以下の記事もご参照下さい。

>> 士業のネット集客|毎月200万売り上げるHPの秘密

3.キーワード選定

ここまでの内容を参考に、「事務所型」にするか「サービス特化型」にするか?が決まったら、次はキーワード選定を行っていきます。

士業のホームページへのアクセスは、ほとんどが検索経由(お客様が何かしらのキーワードで検索してホームページに訪れる)です。

そのため、「検索されているキーワードを狙う=集客に成功しやすい」と言えます。

逆に、いくらサービス内容に自信があっても、検索されていないキーワードを狙ってしまったら、集客効果は0になってしまいます。

そのため、

  • お客様がどんなキーワードで検索しているのか?
  • それぞれのキーワードの検索数はどれくらいなのか?
  • それぞれのキーワードを狙っているライバルはどれくらいいるのか?

を、ホームページを作る前の段階で把握しておく必要があるのです。

この、「どのキーワードを狙うかを決める」ことを、キーワード選定と呼びます。

キーワード選定の詳細なポイントや手順は、以下の記事をご参照下さい。

>> SEOキーワードの選び方:月20件の問い合わせを獲得する秘訣

【士業のホームページ制作は、お店を作ることに似ている】

士業のホームページ制作は、例えるなら、お店を作ることに似ています。

例えば、あなたがレストランを出店することを想像してみてください。

その時、「とりあえず空いている土地にお店を作って、集客のことはその後考えよう」とはしないですよね。

そんなことをしたら、失敗するのは目に見えています。

多くの場合、

  • どれくらいの数のお客様がいるのか?
  • お客様は何を求めているのか?
  • 周りにライバルはいるのか?
  • ライバルはどんな集客対策をしているのか?

などを徹底的に調べた後で、レストランの建設に取り掛かるはずです。

士業のホームページ制作も、これと同じです。

キーワード選定を行って、

  • どれくらいの数のお客様がいるのか?
  • お客様は何を求めているのか?
  • 周りにライバルはいるのか?
  • ライバルはどんな集客対策をしているのか?

などを調べることで、初めて勝てる戦略を考えることができるのです。

「とりあえずホームページを作って、集客はその後…」という考え方では、多くの場合、失敗します。

ホームページを作る前には、まずはキーワード選定を行うことは必須なのです。

4.ホームページを作ろう

狙うべきキーワードが決まったら、いよいよホームページを作っていきましょう。

ホームページを作る上で重要なのが、「なるべく手間を省くこと」です。

ホームページは、極めようと思えば、いくらでも時間をかけて作りこむことができます。

しかし、極めようとすればするほど、いろいろなことを勉強しなくてはいけなくなります。

考えられる主なものを挙げるだけでも、

  • HTML
  • CSS
  • デザイン

などを学ばなければならず、これらを全て0から学ぶのは、至難の技です。

士業にとって、ホームページを作る目的は、「集客のため」です。

「集客できるホームページを、いかにスムーズに作れるかどうか?」を考えた方が、圧倒的に上手くいきます

であれば、ホームページ制作会社を活用するのもひとつの方法と言えます。

ホームページ制作会社に依頼するときには、下記の記事もご参照のうえ、あなたにピッタリの会社を選んで依頼するようにしましょう。

>> 8つの項目でチェック!ホームページ作成料金相場と制作会社の選び方

もしご自身でホームページを作るのであれば、各種のHP作成ツールを使うことをお勧めいたします。

以下に、HP作成に役立つツール類をご紹介させて頂きます。

難易度 オススメ度
有料ツール
CMS
無料ホームページ作成ツール
無料ブログ

この中で、初心者の方にもお勧めできるものとしては、「CMS」か「無料ホームページ作成ツール」だと思います。

以下に、それぞれの特徴を記載いたします。

  • 4-1.有料ツール
  • 4-2.CMS
  • 4-3.無料ホームページ作成ツール
  • 4-4.無料ブログ

4-1.有料ツール

有料のホームページ作成ツールで代表的なのは、以下のようなものが挙げられます。

>> ホームページビルダー
>> ドリームウィーバー
>> バインド

有料ツールは機能面が豊富なので、ドリームウィーバーなどはプロも愛用している方が多いです。

一方、機能面が豊富すぎることで、初心者の方にとっては、使いづらい場合もあります。
(余談ですが、私の知っている限りでは、初心者の方でホームページビルダーやドリームウィーバーを使って、思い通りにホームページを作れている人は見たことがありません。)

初心者の方であれば、有料ツールの中ではバインドが一番使いやすいかと思います。

4-2.CMS

ワードプレスムーバブルタイプなどの、CMSを使って制作することもできます。
(CMSと言うのは、コンテンツマネジメントシステムの略です。ここでは単純に、HP制作ツールの1つなんだな、と思って頂ければ大丈夫です。)

特にワードプレスや、テーマと呼ばれるテンプレートが多数あるので、デザインも比較的しやすいのが特徴です。

また、プラグインというものを使って、ホームページにいろいろな機能を追加することができます。

※一点、ワードプレスやムーバブルタイプを使うときには、ご自身でドメインやサーバーを取得する必要があります。

4-3.無料ホームページ作成ツール

無料ホームページ作成ツールで有名なものとしては、例えば以下のものが挙げられます。
>> WIX

無料ツールのいいところは、ホームページの作り方の専門知識がなくても、簡単に使えることです。

まだホームページを持っていないのであれば、試しに使ってみるのも良いと思います。

一点、無料ホームページは、無料であるがゆえに、デメリットがある場合もあります。

詳しくは、下記の記事もご参照ください。

>> 無料ホームページを使うときに知っておきたい3つのポイント

4-4.無料ブログ

士業事務所の中には、無料ブログをとりあえずのホームページの代用として使っているところもあります。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

>> アメブロ

一点、無料ブログは、「急に使えなくなる可能性がある」「集客に向かない場合がある」などのデメリットもあります。

詳しくは、下記もご覧ください。

>> ブログでホームページを作るのが危険な5つの理由

ご自身でホームページを作る場合には、上記の方法の内、あなたに合ったものを選ぶようにしましょう。

なお、初心者の方にもお勧めできるのは、

です。

参考になれば幸いです。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

以下に、士業のホームページ制作の手順を再度ご紹介させて頂きます。

(ステップ1)「事務所型」か「サービス特化型」かを決める

「事務所型」は、事務所の顔となる総合的なホームページを作りたい人や、開業したばかりの人向け。
「サービス特化型」は、集客力をより高めたい人向け。

あなたの目的に合わせて決めましょう。

(ステップ2)サービス特化型なら、どの案件を集客するかを決める

ご自身が扱っている案件を元に、どれをメインで集客するか?を決めましょう。

以下の記事もご参照ください。

>> 士業のネット集客|毎月200万売り上げるHPの秘密

(ステップ3)キーワード選定をする(狙うキーワードを決める)

集客したい案件が決まったら、それに合うキーワードを探しましょう。

以下の記事もご参照ください。

>> SEOキーワードの選び方:月20件の問い合わせを獲得する秘訣

(ステップ4)ホームページを作る

これまでの内容を元に、ホームページを作っていきましょう。
さきほどご紹介した、各ツールの特徴を確認の上、どのツールを使うかを決めましょう。

なお、ホームページ制作会社に依頼する時には、下記の記事もご覧ください。

>> 8つの項目でチェック!ホームページ作成料金相場と制作会社の選び方

ホームページを作ろうとすると、多くの場合、どうしても「どのツールを使うか?」「どの制作会社に任せるか?」といったところから考えてしまいがちです。

しかし、士業業界は、扱うサービスの種類が多いため、

  • 「事務所型」にするか、「サービス特化型」にするか?
  • サービス特化型なら、どの案件の集客に力を入れるか?
  • どのキーワードを狙っていくか?

というところを、ホームページ制作前の段階から考えていく必要があります。

キーワード選定までの段階で、ネット集客の成否の9割が決まってしまう、と言っても過言ではないのです。

士業のホームページは、制作前から勝負が始まっています。

ここでご紹介したポイントを抑えて、あなたのネット集客にお役立て頂ければ幸いです。

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